まず Raspberry Pi の CPU はどれくらい強いのかというと、TrueBench の処理速度で比較するとこんな感じになります。
製品名 | CPU名 | 処理時間 |
---|---|---|
お高くて強い PC | Intel Core i7-4800MQ | 78,857,277 |
手元の最弱PCと同等 | Intel Core i3-6006U | 94,537,612 |
Jetson Nano | ARM Cortex-A57 | 367,342,691 |
Raspberry Pi 3 / Google Coral Dev Board | ARM Cortex-A53 | 949,003,080 |
Raspberry Pi 3 の CPU はかなりツライ。 ARM Cortex-A53 と Intel Core i7-4800MQ は CPU で 12倍ほどの速度差があります。 ちなみに Raspberry Pi 4 の Cortex-A72 は TrueBench にはまだないけど、Raspberry Pi 3 の Cortex-A53 からコアあたり 18〜30% 向上しているそうです。 Deep Learning する時も 5.5倍ほど速度差があります。 ただいずれにしても GPU を使わなければ、弱いです。
どれくらい弱いか。GPU を加えて、MobileNetV2 を Deep Learning することを考えてみます。 貧弱な Raspberry Pi 3 も、Coral Dev board を加えると、37〜52倍ほど早くなります。 Jetson Nano を加えると、26倍ほど早くなっています。
Intel Core i7-4870MQ の場合はよくわかりませんが、つよつよな Intel Core i7-7700K の場合は結果が載っています。 Coral Dev board を加えると、10倍ほど早くなります。 GPU を載せれば、つよつよな CPU でもこれくらいは早くなります。
ちなみにデータを参考にすると Jetson Nano より Coral Dev Board のほうが早いですが、値段差とアーキテクチャの制約が色々あるので、どちらが良いとは一概には言えません。 いずれにせよ 1 万円〜3万円で 10 倍以上は早くなるので、凄いの一言に尽きます。
アーキテクチャの制約も、考えようです。アーキテクチャ変更によって凄い数値も出てきているし、今後も期待できるからです。 特に 2019-08 に登場した EfficientNet-EdgeTPU は凄いです。 その結果を見ると、Xeon(R) E5-1650 が 738倍向上するという凄まじいことになっている。 Xeon(R) E5-1650 は PassMark のベンチマークで 12735点 で、Intel Core i3-6006U は 3081点で 4倍くらい違いますから、貧弱な CPU はもっと改善しそうです。 これだけの進歩は、さすがにアーキテクチャクチャの違いによるところが大きいと言えるでしょう。
参考:
- Nvidia Jetson Nano Review and Benchmark - The Raspberry Pi Killer ?
- TrueBench - Linux CPU Benchmarking system
- Performance comparison : Coral Edge TPU vs Jetson Nano | Raccoons
- Jetson Nano Brings AI Computing to Everyone | NVIDIA Developer Blog
- jolibrain/dd_performances: DeepDetect performance sheet
- Edge TPU performance benchmarks | Coral
- Benchmarking TensorFlow Lite on the New Raspberry Pi 4, Model B
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