特に勝手にラボを作っている方が増えているのは知りませんでした。面白い。 私が フィンランドに学ぶ PISA と次の教育 に書いたことを、まさに実現しているのかも知れません。 研究者 2.0 とも言える時代はすぐそこまで来ているのかもしれません。 日本の感覚はもう当てにならないですが、中国はもうこんな感じ。 これができる研究者どれくらい居るかというと、ほとんど居ないかと思います。突き抜けた人はどこにいようと本当に凄い。
中国武漢の53歳になる農民・舒满胜さんが作った“タケコプター” 製作費用は1万元ちょっと(20万円くらい?)だとか
— けろっと (@kerotto) November 16, 2019
#中国の農民のおっさんが作ったシリーズ pic.twitter.com/PzUl82P2XT
日本で一番最初に、大々的にこれを始めたと私が思ってるのは、PFI です。 創業者の岡野原さんは東大の教授になることは容易であったと思いますが、ベンチャー企業の PFI を設立しました。 フリーではなくベンチャー起業ですが、これも裏にあるのは資金獲得や自由度が理由だったのではないかと思います。 今や PFI は資金潤沢な、大きなベンチャーになりつつあります。 そして同じような理由からと思いますが、IT 業界では大企業からベンチャーにという流れも、多社契約フリーランスという形も、少なからず出てきました。 PFI のように大きくするのは大変なので、フリー研究者というのは、次の研究者の在り方として最も普及しそうなスタイルと思います。
フリー研究者も大学より優れている点が色々あります。 まず契約時に、研究が必要なのか、発表が必要なのか、特許が必要なのか、などなど明確に交渉でき、必要資金がクリアになります。 そのため国や大学の意向でねじ曲がり、まず間違いなく不足する資金分配より、ずっとクリアになる。 これだけでも凄い大きな利点ですし、互いに良い関係にもなります。 本来であれば大学は、講義や入試、指導などのコストを研究者にさらに掛けるので、この金額以上の資金を提示できないといけませんが、なかなか難しいと思います。
PFI ができた時もこれが次の流れなのかなと子どもながらに驚いたものですが、 フリー研究者が普及すると、ベンチャーになるのは難しい個人レベルでも、光明が指してきたのかも知れません。 研究者が本来受け取らなければならない資金を、適切に受け取る機会があるというだけで、とても良いことに感じます。 機会ができることで、明確な相場ができますから。 大学の在り方も、ようやく変わるのかも知れませんね。 研究者はフリーに、教育者は大学にという流れが進みそうです。
ただ忘れてはいけないと思うのが、完璧な実力主義の世界であるため、教育のための研究は通じなくなると思います。 もっと実務的な研究能力が求められるはずです。 そしてマーケティング能力、広報能力、資金獲得能力が、より重視されることにもなりそうです。 企業も新卒研究者よりフリーのほうが良いという判断もしやすくなりそうだし、じょじょに色々な変化が起きていくのかも知れません。
大学も籍を置くメリットが色々あるので、どちらが良いかとは簡単に語れません。 そもそもこの現象の根底にあるのは、教育分野がきちんとした分業ができていない問題も、少なからずあるでしょう。 海外のように入試を第三者非営利機関がきちんと行って、研究の重要性が認識されれば状況は変わると思いますが、なかなか難しいでしょうね。
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