2020年11月1日日曜日

タッチ漢字ドリルを作った

タッチ漢字ドリル を作りました。 小さなアプリの割には、珍しく時間の掛かった作品です。 色々思いはありますが重要なことを最初に言うと、 統計的な出る順で覚え、自動採点をしてくれるドリルです。

採点はかなり真面目に作っていて、文字の大きさや書き順、書く位置、綺麗さをすべて考慮します。 手書き認識だと、文字が綺麗かどうかの判定は不安定であまり使えません。 自画自賛ながら割とよくできた採点システムになってると思います。 ちなみにトメハネは綺麗さの点では評価しますが、重視していません。 トメハネは元来それほど重視されておらず、文化庁も重視していませんが、現代の教師だけが重視しているのが現状です



なぜ作ったか=手書き指導は重要だけど大変

まずは文字を綺麗に書くという作業も、怠れば学力に大きく影響があると私は思っています。 色々な子を見ていると、勉強が苦手な子ほどこの基礎からできていないことが多い。 しかし文字を綺麗に「書かせる」のは思ってるより大変です。 書き順を見張るのは大変だし、口うるさくいうのもストレスを溜めるだけです。 先生が対処するのは思ってるよりずっと大変ではないでしょうか。 考えれば考えるほど、各自の努力が必要な領域だと思っています。 できるまでやるシステムこそが必要ではないでしょうか。

改善のために必要な力は、多くの場合は注意力と集中力であるように思います。 勉強が苦手な子や文字が汚い子ほど、文字を写す作業そのものに問題があることが多い。 なんでそんな右端に文字を書くんやとか、大きさがバラバラやんけ、みたいな。 私はこれ、文字を写すゲームのルールの勘違いによって起きている問題だと思っています。

とはいえ「幼児期の手先の器用さに個人差が大きい」問題があるし、 最近はパワハラとかも大変だろうから、口の出し過ぎにはやはり気を付ける必要がある。 真面目に何十人も見てたら大変だろうなあと思ったので、自動化してみました。 手先の器用さは強く要求しない一方、注意力/集中力は要求する採点をしています。

今後の予定

課題がない訳でもありません。 文章で問題を出題していないので、同音異義語や難問は出題しにくいです。 この辺の実装はかなり迷いましたが、今回作ったアプリは漢字を綺麗に書いて覚えることに主眼を置きました。 漢字単位で覚えるのと、熟語単位で覚えるのは少し違うと思い、難問の出題はしませんでした。

漢字の理解度にも色々あって、たとえば「家」に付随する漢字を綺麗に書けるようになっても、 テストをしてみると「家族」の漢字が書けないことは高頻度で起きそうです。 UI もごちゃごちゃになりそうで、漢字と熟語の練習は切り分けようと思いました。 一つのアプリに組み込み過ぎないほうが、実装的にも楽です。 今回のアプリには実装してませんが、実のところ検討に 99% くらいの時間が掛かってます。 そのうち追加アプリを公開したい。

タッチ漢字ドリル は、文字を綺麗に書く練習として復習気味に使うのがおすすめです。 今のところドリルの重要性が高い中学生まで対応しています。 ぜひ使ってみてください。

Tips

手書きアプリは画面のへんなところを触って誤爆する問題が起きがちですが、タッチ漢字ドリル はだいたい対処済みです。 ただ iOS は 4本指 / 5本指で触るとアプリを切り替える機能を OS が提供しています。 これだけは防ぐことができません。 気になる人は、[設定] → [一般] → [マルチタスクとDock] → [ジェスチャ] を無効にしてください。

高価なタッチペンやスタイラスペンは必要ありません。 芯先はなるべく細いもののほうが見やすくて良いですが、例えば以下で十分です。



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