一番わかりやすい例はアプリストア。 Apple/Googleはロイヤリティを最近30%→15%に変更しました。 Netflixなどの大手の影響かなと思っていたけど、 30%の手数料が独占禁止法に引っ掛かる可能性があるとさらっと書いてあって、私はこのニュースを見逃していたので、あーそっちのほうが大きいのかもなあと思ったりしました。これも元ネタは2018/11/26の記事ですから、どのような判決になるかはわからないけどやはり直近で大きな変化が出始めている事がわかる。仮に独占禁止法が確定すれば、Appleに限らず割と大きな変化になる可能性がある。 まあいずれにしても高ロイヤリティは、それを払うだけの効果が望めないと利用する意義がないので、維持するのは存外に難しいんだけども。
そもそも世の中のロイヤリティがどれくらいかというと、eコマースのテイクレートは10%もないし、 フィンテックのテイクレートは3%以下である。 でもAdSenseの収益分配率は68%だし、まさに業界次第という感じはある。 Adsenseとかこれだけマージンを取っても実質的な還元率は一番高いしね。 日本ではアパレル業界では35%近い手数料が掛かると聞いて驚いた。 スマホのようにマシンの維持費しかないアプリストアで15%が相場なら、 店舗維持費の高いアパレルで、35%の手数料は相当きついんじゃないだろうか。 でも家電量販店って40%くらいロイヤリティ取ってるとこもあるらしいです。 ほんと業界次第。
別業界の色々なロイヤリティから言うと、私はリアルなら20%以下を基本に考えてる。 私の感覚だと、20%のロイヤリティというのは大手の採用する余裕のある数字なので、そこからどれくらい下げられるかという感じ。 アプリストアがそれを割り込んできたので、20%が平均という感覚にも少し割高感が出ているかも知れない。
ロイヤリティや消費税、手数料は馬鹿にならない。 仮にロイヤリティを変化させても1000円の固定利益を得ようとした場合、必要な価格設定は以下のようになる。
- 5%: 1053円
- 10%: 1111円
- 15%: 1176円
- 20%: 1250円
- 30%: 1429円
ついでなので直近1-2年のロイヤリティ引き下げニュースを少し調べてみた。
- クレセゾンや丸井G株急落、経産相がカード手数料下げ要請検討と発言 - Bloomberg
- 米バンガード、競合他社のETFも手数料無料に-価格競争で攻勢 - Bloomberg
- JASRAC、管理手数料実施料率を一部引き下げ 2018年3月分配期に限り | ORICON NEWS
- セブンの「ロイヤリティ引き下げ」が意味するもの (1/3) - ITmedia ビジネスオンライン
そもそも仲介業者というのは実店舗より圧倒的にリスクが少ないので、 本来なら実店舗以下の利益率に抑えて業界全体を大きくする立場にある。 20%のロイヤリティでも仲介業者だったりフランチャイズの元締めのほうが有利だと私は思ってるし、 30%のロイヤリティを取ったらたいていのケースで仲介業者のほうが儲かると思ってる。 そういうのってまさにバブルそのものの問題だよなと私は思った。
ただこのような数値の適正値も効率化のレベルによる。 非効率な産業では40%でも安く見える事もあるかも知れないし、効率的な産業では5%でも高く見える事は実際にある。 適正値は海外とも影響を及ぼし合っているので、仮に世界平均が5%で日本が10%なら、日本はバブルと言えるのであろう。 これをよく考えると不景気でもバブルなものはたくさんあって、具体的に何がバブルを作っているのかが、少しわかった気がした。
ただ直近1年で急激にこの点が是正され始めてきており、世の中が思いのほか面白い事になってきている。 もちろんチャンスもあると思う。
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