2019年11月24日日曜日

フリゲ紹介: 魔法使いの楽園

魔法使いの楽園 は、月に一度しか外出できない箱入りお嬢様が世話係をぶっ倒して城の外に出る物語。 ADV+アクションが融合していて面白い作品と思いました。



内容としては、箱入りお嬢様エリカが城下町でたまたま目に止まった男性に会うために、城を抜け出すゲームです (下)。 世話係マークの妨害を振り切り、時にはぶっ倒してでも会いに行きます。 こういうの、フリゲにはありそうでなかったような気がする。



戦闘はシンプルなアクションですが、これも結構面白い (下)。 様々なイベントで戦闘が発生しますが、必殺技の撃ち方などでかなり難易度が変わるので、意外と歯ごたえがある。



特に面白いと思ったのが会話部分 (下)。 イベントを発生させるためにも色々な会話を聞く必要がありますが、見ていてかなり面白いのでまったく飽きなかった。 これだけ面白い文章を作るのはなかなかに凄いと思いました。



最近プレイした作品の中で一番面白かったです。まだまだ面白い作品が眠っているなあ。

2019年11月17日日曜日

研究者 2.0 が来ている?

研究者 2.0 はすぐそこまで来ている? と感じるニュースがありました。 これらはじょじょに増えてきているかも知れない、新しい研究者の形です。 まず日本の研究者の待遇はたいてい悪いです。 しかし「研究できる環境」があまりにも少ないため、足元を見られて買い叩かれやすいのが現状と思います。 研究者が仕事を全うできる資金を与えられない以上、そもそも契約すべきではないし、研究はすべきではないとも言えますが、実際にはなかなか難しい。 「研究者にこだわり過ぎるのは足枷」というのは、私自身も感じていたことですが、じょじょに新しい風が吹きつつあるように思います。

特に勝手にラボを作っている方が増えているのは知りませんでした。面白い。 私が フィンランドに学ぶ PISA と次の教育 に書いたことを、まさに実現しているのかも知れません。 研究者 2.0 とも言える時代はすぐそこまで来ているのかもしれません。 日本の感覚はもう当てにならないですが、中国はもうこんな感じ。 これができる研究者どれくらい居るかというと、ほとんど居ないかと思います。突き抜けた人はどこにいようと本当に凄い。

日本で一番最初に、大々的にこれを始めたと私が思ってるのは、PFI です。 創業者の岡野原さんは東大の教授になることは容易であったと思いますが、ベンチャー企業の PFI を設立しました。 フリーではなくベンチャー起業ですが、これも裏にあるのは資金獲得や自由度が理由だったのではないかと思います。 今や PFI は資金潤沢な、大きなベンチャーになりつつあります。 そして同じような理由からと思いますが、IT 業界では大企業からベンチャーにという流れも、多社契約フリーランスという形も、少なからず出てきました。 PFI のように大きくするのは大変なので、フリー研究者というのは、次の研究者の在り方として最も普及しそうなスタイルと思います。

フリー研究者も大学より優れている点が色々あります。 まず契約時に、研究が必要なのか、発表が必要なのか、特許が必要なのか、などなど明確に交渉でき、必要資金がクリアになります。 そのため国や大学の意向でねじ曲がり、まず間違いなく不足する資金分配より、ずっとクリアになる。 これだけでも凄い大きな利点ですし、互いに良い関係にもなります。 本来であれば大学は、講義や入試、指導などのコストを研究者にさらに掛けるので、この金額以上の資金を提示できないといけませんが、なかなか難しいと思います。

PFI ができた時もこれが次の流れなのかなと子どもながらに驚いたものですが、 フリー研究者が普及すると、ベンチャーになるのは難しい個人レベルでも、光明が指してきたのかも知れません。 研究者が本来受け取らなければならない資金を、適切に受け取る機会があるというだけで、とても良いことに感じます。 機会ができることで、明確な相場ができますから。 大学の在り方も、ようやく変わるのかも知れませんね。 研究者はフリーに、教育者は大学にという流れが進みそうです。


ただ忘れてはいけないと思うのが、完璧な実力主義の世界であるため、教育のための研究は通じなくなると思います。 もっと実務的な研究能力が求められるはずです。 そしてマーケティング能力、広報能力、資金獲得能力が、より重視されることにもなりそうです。 企業も新卒研究者よりフリーのほうが良いという判断もしやすくなりそうだし、じょじょに色々な変化が起きていくのかも知れません。

大学も籍を置くメリットが色々あるので、どちらが良いかとは簡単に語れません。 そもそもこの現象の根底にあるのは、教育分野がきちんとした分業ができていない問題も、少なからずあるでしょう。 海外のように入試を第三者非営利機関がきちんと行って、研究の重要性が認識されれば状況は変わると思いますが、なかなか難しいでしょうね。

2019年11月11日月曜日

FlashFox: Android で Flash を簡単に使えるブラウザ

Web では Flash が根絶されつつある昨今ですが、 Flash の遺産は大きく、Flash でなければやりにくいことはたくさんあります。

デスクトップはまだしもスマホ/タブレットは本当に困る時があります。 iOS/Android で Flash を動かすには、昔から以下の 2 つの方法が知られていました。 Puffin Web Browser は設定不要ですが、外部レンダリングでレスポンスが遅い問題があり、ゲームなどには向きません。 また 2019-07-01 から Apple Store のポリシー変更が理由で、無料版の iOS サポートが終了するとのことですドルフィンブラウザ は iOS/Android どちらでも使え、独自レンダリングではないので高速に動きますが、設定が煩雑なのがつらい。 もっと良いものはないかと探していました。

そんな中ふと目に止まったのが、FlashFox です。



FlashFox はページをカチャカチャするとよく落ちるけど、Flash の単一ページを開くだけなら普通に使えます。 何も設定しないでも Flash が使え、外部レンダリングではないため高速に動作するのが良いところ。 有料版もあるようですが、リンクの無料版で特に困ってません。 Flash でしかできないことが HTML5 に対応するまで、Android ではこの FlashFox は使っていこうと思っています。 (永遠に来なそうで困ってる…)

Android で Flash が動かなくて困っている人にはおすすめできそうなブラウザです。

2019年11月10日日曜日

ripgrep + fd + sd + vim で高速な grep & replace

grep & replace って利用頻度が高いわりに、意外と大変です。 最近、sd という高速な置換ツールがあることを知り、 みんなご存知の vim & ripgrep、そして fd と組み合わせると高速かつ快適な grep & replace ができることがわかったので、その方法をまとめます。

まず vimmer の人は vim の標準機能を使い、以下のコマンドで grep & replace している人が多いのではないでしょうか。
:%s/foo/bar/gc       # 編集中のファイルを grep & replace
:'<,'>%s/foo/bar/gc  # 選択中の文字列を grep & replace
q:                   # コマンド履歴から置換コマンドを復唱

# 複数のファイルを grep & replace
:args **/*.csv                 # 置換対象を決定
:argsadd ./*.html              # 置換対象を追加
:args                          # 置換対象を確認
:argsdo %s/foo/bar/g | update  # 対象を置換
grep だけなら fzf.vim と組み合わせて、以下の機能を使っている人も多いでしょう。
:Files    # ファイル検索
:Rg foo   # ripgrep で 高速な grep
:History  # ヒストリ検索


さて本題。fd / sd を使う場合、以下のようにすれば、高速に grep & replace ができます。
:!sd foo bar %       # 編集中のファイルを grep & replace
:'<,'>!sd foo bar %  # 選択中の文字列を grep & replace
q:                   # コマンド履歴から置換コマンドを復唱

# 複数のファイルを grep & replace
:!sd foo bar $(fd -e csv)
:!sd foo bar $(fd -e csv && fd -e html)
sd コマンドで grep & replace をすると、コマンド履歴に :!sd ... という検索しやすい形で残ります。 これが地味に便利で良いです。

2019年11月8日金曜日

工作用の通販サイトまとめ

最近、電子工作だったり様々な工作をしていて、小物を発注する機会がとても増えています。 小物は安く買おうとすると送料との戦いになるので、なるべく安くするための EC 通販サイトをまとめてみました。 なお私が使う可能性のあるところだけです。

名前基本送料送料無料特徴
Amazon0円〜0円〜品揃え豊富、小物が見にくい
ヨドバシカメラ0円0円小物系は強い、掘り出し物あり
共立エレショップ280円〜7500円以上掘り出し物多数、品揃え豊富
MISUMI-VONA0円0円事業者用途のみ
ビックカメラ0円〜0円〜全体的に高めなので一品買いに
アスクル330円1000円以上掘り出し物あり
送料無料の基準が嬉しい
エレコム
ダイレクトショップ
550円2200円以上パーツ系の小物と言えばエレコム
スイッチサイエンス150/500円3000円/1万円以上ここしかないもの多数
モノタロウ500円3500円以上ここしかないもの多数
品揃え豊富
秋月電子通商500円1万1000円以上ここしかないもの多数
品揃え豊富
マルツオンライン350円〜3000円以上少し高めだけどポイントあり
送料無料の基準が嬉しい


経験論として工作系やパーツ系の商品を買うときは、ググっても良いものは出てこないです。 EC サイトごとにチマチマ比較したほうが確度が高い。 私は Amazonヨドバシカメラ共立エレショップの 3 つは最初に必ず見ています。

この3つで良いものがなければ、諦めて他のECサイトで買います。 MISUMI-VONA は買ったことないけど、事業用途なら送料無料らしい。 スイッチサイエンス秋月電子通商モノタロウ は、ここにしかないものが多過ぎるので、よくお世話になる。 テーブルに書いていないものでは、Google ショッピングメルカリ などのフリマアプリは見る事もある。 海外から輸入される方もいますが (下記参照)、私は利用したことがないです。

参考:

2019年11月1日金曜日

フィンランドに学ぶ PISA と次の教育

フィンランドには医学の塾があるという話をたまたま見つけて、これは次の時代を示しているんじゃないか、と感じました。 記事の中に書かれていたのですが、フィンランドは PISA の点数が高くて教育のレベルが高いと思われている国である一方、分数を理解している子は全体の 2 割しかいないらしい。 本当に驚きました。 そしてフィンランドで起きていることは、良い意味で日本でも起きるのではないかと、感じてしまいました。



PISA と教育の現状は一致しない

この話をするためには、まず第一に PISA について語らないといけません。 PISA は国際学力テストで、日本でも重要視されている指標に思いますが、私は PISA については昔から疑問視しています。 なぜかというと、ゆとりとは言えロートルな教育を受けた身からすると、最近の小学生は「平均的に見れば」明らかに算数/数学に課題があることが増えています。 大学でも高校の内容を教えるようになった。 決めつけはよくないし、代わりに伸びたこともたくさんあるけど、こればかりは感じざるを得ない。 最近ようやく「社会人や中学生が小学3年のところで躓いているケースが多い」という情報で報じられるようになりましたが、ずっと前からこの問題は起きている。 しかし PISA ではそれを判定できていない。

最近の人はこの基礎能力の低下についてはピンと来ないかも知れませんが、練習量が減っているのが原因です。 昔は当たり前にやっていた重要なことを公教育でやらなくなった結果、ロートルな教育に存在したセーフティネットがなくなってる。 ただこのような「何を改悪してこうなったのか」という感覚を持っている人は年齢の変化で減っていくし、平均が落ちていることに気付かず教育をしていくので、 さらに平均が落ちていく悪循環があり得ます。 というか、かなりの確率でそれが起きていている。

それなのになぜ日本は PISA の点数が落ちないか。私はずっと不思議に思っていました。 これについては良い解答を見つけ、私もこれを支持しています。 フィンランドの大学教授や大学講師の方々が、貴重な意見を記事に書いています。 PISA は日常的な数学知識を測るだけであり、高校以上の力は明らかにならないのです。 PISA の点数が上がったかどうかでわかるのは、中学校の常識レベルがどれだけできているかに過ぎず、大学や職業レベルの競争力の指標としては機能しないのです。 中学校の常識レベルと計算力なども、また少し違う尺度なのかも知れません。とにかく信用し過ぎるのは良くなさそう。


学校 (大学含む) は構造的に学力低下の問題を抱えている

小学校教育の問題 (正確にはゆとり教育ですが) は、小学校だけで済む話ではありません。 多くの大学で高校数学の内容を教えざるを得なくなりました。 高校でも同じ問題は起きており、中学では中学ギャップと呼ばれるものができました。 そして社会人レベルでも小学校教育のツケが出始めている。 ゆとり教育のように基準を一度下げると平均が下がるので、下がった平均に合わせて、試験のレベルも下がっていくという事がよく起きます。 資格試験も同じことが言えて、昔と今ではかなり基準が変わっています。 一番キツイのは大学で、本来は不要な前提知識の解説が必要になる。

そこに人口減少が絡んでくると、問題はもっと深刻になります。 人員確保のためにほとんどの組織でレベルを下げるしかないという問題が起きます。本当に良くない。 トップ層は今も昔も底なしにデキるので関係ないのですが、平均として見るとこの問題は明らかに存在します。 だから平均は上げていかないといけないんですが、現実にはつらいところがある。 この波から逃れたいと考える現れなのかも知れませんが、都内を中心に中学受験が増えています。 他にも公立の中高一貫校化の流れも結構見て取れます。都内と地方の温度差は凄いものがある。 結果として教育格差はどうしても生まれてしまう訳です。

ここまでは既に起きている話。 ただ本当はもう少し先があると思っています。 なぜなら最低でも偏差値75くらいまで突き抜けないと、教育問題の影響をモロに受ける大学の影響をどうやっても受けてしまうんですよ。 偏差値70くらいだと、うーんという感じがします。 中高が高くてもたいていの大学は門戸を開くために偏差値がガクンと落ちるし、やはり偏差値75とは教育格差がかなりある。 とは言ってもほとんどの人は偏差値75など必要としていないし、本当にひと握りの人しかなれない訳で、残りの人はどうするのかという事になります。 そもそも偏差値自体どうなのよ、と思うこともよくあります。 そんな中、フィンランドは医学でさえ塾があると聞いて、ハッと思いました。

ようするにこれ、医師という一定ラインを超えるに当たっては公教育では不足しているから、塾で学ぶしかなくなってるということですよね。 だから医学に関して最短のパスを用意すれば良いじゃないかと。 もう世界ではそういうところまできてるんだな、と。 欧州は人の出入りが多いし、社会システムの職業決定は厳格なところが多いので、レベルを保つ仕組みは日本より進みやすいと思う。 たぶん日本の先を行った結果がこれ。


人口減少の影響を受けない教育をしよう

PISA や昨今の教育問題を見ていると、そろそろ常識を疑って、新しい教育を考えても良いのかなと思っています。 これは実のところ高校生の時からずっと思っていたけど、当時は代替になるものがなかった。でも今ならある、というのが理由です。 何かを学ぶとき、独学でも塾でも学校でも会社でも良いとは思うのですが、 教育力低下の影響をモロに受ける学校って、トップ以外だと効率悪いんですよ。 昔は板前とか大工とか、早い段階から丁稚奉公をしていたものですが、ほとんどの分野はそれで良いはずなんです。

そもそも大学受験は非効率の塊です。 現代社会で漢文や古文を習う必要はないし、歴史も最低限覚えれば足りる。 そのようなことに費やすより、一芸一点突破すれば良いじゃないかと。 学費も、国立大学/大学院だと年間50〜80万円、私立大学/大学院だと70〜200万円ほど掛かります。 わかりやすいので最近炎上中のプログラミングスクールを例に挙げますが、叩かれてはいるもののスクールの内容が大学を上回っていることは今や多いと思うんですよ。 しかもガチでやったら適当計算でも 1/4〜1/8 くらいのお金で済む訳でしょ。

もちろんトップ層の国立大学/大学院のレベルは素晴らしいと思ってますが、 理論を学ぶのか実践を学ぶのかは大きな違いがあって、プログラミングスクールのほうがすぐに役に立つ。 また大学でサイエンスを学んでも 9 割以上の人が社会人になってサイエンスをしないのは、大学教育の大いなる矛盾です。 しかも最近の大学は、偏差値が下がってくると研究をしていないところが多いので、サイエンスを学んでいない人のほうが多いと思うんですよ。 あと 4年間の中に遊びの要素が含まれているので、密度の高さも違う。 つまりプログラミングで突き抜けるなら、大学よりスクールなのは最初から自然なのです。 昔もこういうのがあったらなあと、正直うらやましく感じますね。

さらにこの変化は日本だけではありません。 世界中でプログラミングの早期学習は始まっているし、大学に対する見方自体も変わってきています。 日本はかなり遅れているほう。 最近は世界の名だたる企業でも大卒の肩書きは不要になり、Googleは博士号を付与する仕組みを作り始めました。 実力重視の世界では、大卒の肩書きは求めていません (ただしビザについては注意)。とても自然と思います。 日本でも大卒の肩書きは既に不要と私は思いますし、プログラミングに限らず、同じことがあらゆる分野で起きるんじゃないかと感じます。


新しい学校の形、知の高速道路

そしてフィンランドの医学塾の話を見ていると、あらゆる観点から人口減少の影響を受け、思惑の飛び交う学校より、 別のものが選ばれる可能性はそろそろあるのではないかと、感じました。 医学でさえ塾として通用するのだから、物理塾や化学塾とかも絶対いけると思うし、 別に塾じゃなくても新しい何かが生まれてもおかしくないと思う。 石神千空キッズだらけになったら凄い面白い世の中になりそうだな。 実際、最近は異世界チートクラスの小中学生がゴロゴロ居て、学校で管理するのもどんどん無理になっています。 そのような彼ら/彼女らを、学校に縛られないよう、とことん伸ばすべきでしょう。 そのためには、あらゆる分野で作られ始めている「知の高速道路」に乗る/乗せてあげることが大切なのだと思います。

そんな訳で、学校は最低限を提供できれば、それで良いと私は思ってる。 ただ算数/数学は文理問わずどんな分野でも必要なので、もっと鍛えたほうが良いんじゃないかなあ。 分数ができないとかは、さすがに問題です。 ただこれに関しては、私立の考え方も面白くなってきました。 最近は算数だけの受験みたいなのも出てきているようで、頭良いなと思ってます。 算数1科目入試は STEM 教育の延長線として、2019年から増えたみたいですね。 算数の難問が解ける=国語もできるし、算数さえ突き抜けてれば、ほとんどの分野で突き抜けられる素養があるからなあ。 色々なところに変化の兆しは既にあるようには感じます。